お子様ができるだけスムーズに
歯科受診できるようになる体制を
当院は、女性の小児歯科専門医(一般社団法人 日本小児歯科学会認定)が院長を務める小児歯科・矯正歯科として、平成28年6月に開院いたしました。
医科に「小児科」「内科」などがあるように、歯科にも大きくわけて「歯科」「矯正歯科」「歯科口腔外科」「小児歯科」があることをご存知でいらっしゃいますか?
歯学部付属病院のようにさらに細かく分類すると「障害者歯科」「歯周病科」などがあります。
私は歯学部を卒業・歯科医師となって以降、大学病院や病院歯科で「小児歯科」に所属し、お子様のお口の問題を解決することに取り組むべく、知的障害や身体障害をお持ちの方を専門とする「障害者歯科」、歯並びやかみ合わせの治療が専門の「矯正歯科」、赤ちゃんのミルク飲みや食事のトラブルに対応した「摂食嚥下」、心臓などに大きな問題を抱えていらっしゃる方に対応した「有病者歯科」などを学んで参りました。
また歯科に限らず、話し方や鼻・のどのトラブルに関しては耳鼻咽喉科、生まれたときから歯が生えていて哺乳が難しいお子さんや低出生体重児のお子さん、口唇口蓋裂のお子さんに関しては新生児科、大きなむし歯と体調不良により顔が腫れたお子様に関しては小児科、心臓や血液の病気で歯科治療に特に注意が必要なお子さんに関しては小児循環器科、交通事故などで顔全体にダメージを受けられたお子様に関しては形成外科など、医科の先生方とも連携して治療を行って参りました。加えて、自閉症スペクトラム支援士という資格を取得し、教育分野や療育分野とも連携し、お子様ができるだけスムーズに歯科受診を受け入れていただける体制を整えて参りました。
お子様それぞれに合わせた対応を
このようなお話をしますと「それは都市部の大学病院でないと無理ですよね?」と言われる方もいらっしゃいます。しかし、私はこれらを私の生まれ育った防府市で、お口のトラブルで困っていらっしゃるお子様が身近に歯科受診していただける環境を作りたいと思い、開業に至りました。
患者様としてお越しいただいたお子様全てが、最初からニコニコと上手に診せていただけるとは限りません。お口の問題が小さく「待てる」時は何度も繰り返しトレーニングを行って処置に移行するよう心掛けております。重症なむし歯の際は、いやがるお子様を泣きながら抑制してでも処置を優先せざるを得ない場面もあります。しかし、最終的にはお子様の発達レベルに応じて歯科処置や定期的な受診の重要性を理解していただいております。
「こどもは小さな大人」ではありません。こどもさん特有の問題に合わせた対応を行い、「こどもだからこのくらいでよい」ではなく、将来の選択肢が多いこどもさんだからこそ、しっかりとした対応が必要であると考え、レントゲン(エックス線写真)検査機器、滅菌機器、診療ユニットなども私が最善と考えるレベルのものを揃えました。
さらに、お子様が歯科受診される際は、ご兄弟やお母様などのご家族もお見えになります。「歯医者さんは怖くてできるだけ行きたくない」という歯科恐怖症の方はとても多いといわれております。患者様であるお子様に限らず、お越しになるすべての方々に笑顔で満足していただける時間や環境を準備したいと思います。
そのため、当院はあたたかみのある木材や内装色を採用し、お子様やご家族がリラックスしていただける工夫を随所に凝らしております。
当院でのお口のケアを通じ、お子様の心や体の健やかな発達のお手伝いをさせていただきたいと考えております。どうぞよろしくお願いいたします。
德冨 順子